こんにちは。
保育園の経営・人事を10年経験して、現在は保育園のコンサルティングをしているMayosayoでございます。
今回は、フランチャイズで保育園を開業する場合についてお話しします。
保育園の開業を検討する場合、自力で頑張るか、フランチャイズに加盟するか、コンサルを使うかという3択になります。
色々と調べたり、少し行動してみると、自力で頑張るという選択肢は早々に無くなると思いますが。
フランチャイズで開業するのって、向いている方とそうでない方は、“ハッキリと分かれる”んです。
フランチャイズで保育園を開業するということ
まず、フランチャイズに加盟すれば認可が取れるということはありません。
結局は実施主体(あなた)の法人の経験や実績を見て判断されます。
保育事業に参入できない最大の理由(参入障壁)
- 認可保育園等の場合、参入するためには「認可保育園の運営経験が1年以上必要」としている自治体が多い
認可保育所の運営実績がなくても、検討してくれる自治体はあります。
もちろん、公募で実績がある事業者がライバルとして現れた場合、高確率で負けますが。
経験や実績がない場合は、フランチャイズで不足分をカバーするというのは認可を得る際にプラスに働くことはあります。
ほとんどの自治体は基本的に「新規参入お断り」と言っている訳でが、それでもそれでもすぐに認可が欲しいなら、「経験豊富な園長を用意する・保育園経営経験のある者を幹部に置く・フランチャイズに加盟する」などして、認可を得られる可能性を高めて挑戦し続けるしかありません。
認可を得られなくても、認可外保育所から参入するのはアリ
認可を得る為の経済基盤、経験や実績がなくても、認可外なら開業できます。
認可外であれ、良質な独自サービスを行なっていれば、稼げます。場合によっては、認可より稼ぐこともできます。
待機児童問題に追われている自治体は、認可外の経験でも認めてくれますので、認可外保育所を経営していれば晴れて”実績のある事業者”になれるわけです。
認可外で実績を作り、認可保育所に移行したり、認可保育所を新設するという流れは、結構妥当です。
しかし、認可外保育所は、補助金が極端に少ない為、「失敗するのではないか?」という不安がありますよね。
特に、初めての起業などであれば、集客面も心配でしょう。
そういう場合は、フランチャイズはオススメできます。
良質な独自サービスを行なっているフランチャイズなら検討の価値あり
フランチャイズでの保育事業参入が向いている方
向いている方は、フランチャイズという事業形態とマッチしている方、フランチャイズでないと開業できない方です。
- ノウハウがない、そして、ノウハウ蓄積に時間をかけたくない
- 自身で良質な独自サービスを思いつけない
- 書類の作成や規則の整備など組織作りに自信がない
- とにかく早く開業したい
コンサルを使う場合もメリットは似たようなものですが、この辺りがメリットです。
保育所を作りたいけど、自分で色々決められない方はフランチャイズがオススメです。
コンサルはクライアントの希望に答えるので、クライアントが決めてくれないと動けませんからね。
フランチャイズで認可外保育所を開業する際の注意点
一応、フランチャイズ業者についてお話ししておきます。
保育所のフランチャイズ業者ですが、ハッキリ言うと”待機児童問題に乗っかってるだけ”の業者が結構あります。
「待機児童が多くて認可に入れなくて、止むを得ず認可外に通う」という人は非常に多いです。
そこをターゲットにしてる訳ですね。
一見、狙いは良いように思えますが、実際はそんな保育園を経営するなんて怖すぎます。
こういう保育園は、簡単にいうと”認可保育園みたいな認可外保育園”なんです。
近くに認可保育園ができたら潰れるの確定です。少なくとも待機児童が解消したら潰れるの間違いなし。
せっかく認可の規制の外にいるのに、認可みたいなことやっても、ただの劣化です。
児童福祉法や保育指針などなど、保育の真髄とは少し離れてしまうかも知れませんが、認可外は”良質な独自サービス”を実施していなければなりません。
フランチャイズ業者を選ぶ時は、必ず”認可にはない良質な独自サービス”を実施している業者にしてください。
フランチャイズで保育事業に参入するのが向いていない方
仮にフランチャイズで保育園を開業できたとしても、後々嫌になってくる・後悔することが多々あります。
儲けたい・拡大したい・自分でやりたいという人はフランチャイズにはあまり向いていません。
それぞれ説明します。
保育園経営で儲けようと思っている方
認可保育所等で夫婦共に保育士の資格を取って、そこで働けば500〜1000万くらいはもらえますが、「保育園を開業するためにいくら投資したんですか?」という話になります。
返済などを含めて、投資額の回収にお金がかかる上、フランチャイズ加盟金や毎月のフランチャイズ料金(ロイヤリティ)がかかります。
先ほどの年収は手元に残らず、結構細々とした暮らしを余儀なくされます。
保育士が給与が低いと嘆いていますが、経営者も給与が低いと嘆かなければならない訳です。
それで保育士の給料を下げたり、ブラック保育園にして残業代を払わなかったりして、経営者が自分たちの手取りを増やそうとしてしまうんですね。
保育園には定員がありますし、保育士が見れる子供の数も決まっていますので、頑張れば頑張るほどお金が儲かるというビジネスではないですから、1施設でドンドン稼ぐというのは無理です。
”稼ぐ”ということを目的にする場合は、複数園を運営する必要があります。
保育園事業を拡大したい方
それでは、「保育園を複数出店して収入を上げよう!」と思いますよね。
しかし、新規出店をすると、フランチャイズ料が上乗せされます。
もう一度加盟金を払わされるというほどではありませんが、追加料金が発生する訳です。
システムを利用する店舗が、1店舗から2店舗になるので当然といえば当然です。
スマホでも2台目無料なんかありませんからね。
「じゃあ、さらに店舗増やすぞ!」と思っても、フランチャイズ契約にも色々ありますが、「店舗拡大は○店舗まで」と決まっていることもありますので、何店舗も拡大できないこともあります。
保育園の経営は大変…というかストレスが多いので、複数店舗経営して頑張っても出ていく額も多いので、不満に思うかも知れません。
保育園のフランチャイズ契約を辞めたくなる方
すると、「フランチャイズを辞めて更に店舗拡大じゃー!」となりますね。
フランチャイズ契約を辞める時にとんでもない障壁になるのが、“競業避止契約”や”解約金”です。
フランチャイズを辞めたら店舗拡大ができないような契約になっていたり、フランチャイズを辞めたら保育園も閉めないといけないという契約になっていることがあります。
もちろん、すでに保育園を経営していれば、そこに通う保護者や子供たちがいます。
会社の契約の都合でその人たちに被害は出せませんので、潰されましません。よって、この契約をなかったことにするには、当然お金が必要です。
もちろん、弁護士を挟んで揉めることになります。
「そんなのおかしい!」と思うかも知れませんが、大の大人が契約している訳ですし、全然おかしくありません。
ノウハウを盗んで逃げるなんてことが簡単にできるわけがありません。
それを覆すなら、相応の対価が必要になる訳です。すごく当たり前のことですね。
フランチャイズに向いていない方は保育園コンサルタントを入れると良い
私は、保育園のコンサルタントですから、当然開業にはコンサルタントを使うのをオススメします。
自力で頑張るのが知識や経験が自分の地肉になるので、本来は一番良いかも知れませんが、全く未知の業界で、しかも参入障壁がすごい業界に、一人で飛び込もうとするのは無謀ですし非効率です。
コンサルタントに頼むよりも、フランチャイズの方が参入はしやすい場合もあるでしょう。しかし、保育業界に参入して事業拡大を目指すならフランチャイズは不向きです。
よって、開業コンサルを使うのが最も良い方法だと思います。
自分でやるのが一番だが時間が勿体無い
開業する時に大変なことはたくさんありますので、例を一つだします。
「保育士は書類に追われている」という話を聞いたことはありますか?
保育士はひたすら、PDCA的な書類や発達の記録を書いています。
保育士たちが負担だと思うほど、書類が大量にあります。
そして、この書類は無くすことができない必要な書類です。
当たり前ですが、「保育士って大変だな〜」では済まないんです。その大量の書類の様式作成や書き方の決定はこっちの仕事なんです。
この大量の書類を自分で作成してたら、それだけで何ヶ月もかかりますよ。
おわりに
私の保育園のコンサルタントですのでコンサルをオススメしたいんですが、フランチャイズの方が向いている方もたくさんいます。
しかし、コンサルタントを使う方が向いていると感じた方は、ぜひ、一度私のコンサルティングもご検討ください。
それでは、上手く開業ができることをお祈りしております。