保育園を開業したいと思った時に、気になるのは各区の待機児童数ですよね。
また、併せて保育園の数も一応確認しておきたいところです。
待機児童が一定数いれば、保育園の数はあまり関係ありませんけどもね。
保育業界に関わっていない方は、待機児童数などの調べ方もよく分からないと思います。
ここでは、保育園の経営・人事を10年間勤め、現在は保育園コンサルタントの私が、待機児童数や保育園数の紹介と解説をいたします。
保育園の開業前に知っておきたい東京都の待機児童数
東京都は、毎年、4月の待機児童数を夏頃に発表しています。
まずは、待機児童の推移や区の状況を確認していきます。
東京都全体の待機児童数
さて、この表は毎年4月時点で待機児童になった子どもの数をの一覧表です。
待機児童は、0〜2歳に集中しており、3歳以上になると激減していきます。
そして、注目すべきは、これまで増え続けていた待機児童が、平成30年の4月に激減したことです。
待機児童が減ることすらほとんど無かったのですが、今回は一気に3,000人もの待機児童が解消されました。
これはとんでもない成果だったと言えます。これから参入したい方には、少し良くないニュースと言えますね。
しかし、有り得ませんが、このペースで待機児童が減る場合、2020年には待機児童がゼロになるということです。
開業を目指すなら早い方が良いことが分かります。
区ごとの待機児童数
さて、少し見にくいですが区ごとの待機児童数も確認しましょう。
あとでリンクを載せますので、しっかり見たい方はそちらから確認してください。
東京都全体ではかなりの数が減っていて心配になったかも知れませんが、保育業界に参入する際は区とのやり取りで認可や認証を取らねばなりません。
よって、東京都全体よりも、区の状況の方が大事です。
この表は前年との比較になりますが、都内全体で3,000人減ったんですから、当然全体的に待機児童数は減っていますね。
少ないですが、待機児童が減っていない区や増えている区もあります。狙い目ですね。
しかし、見るのはそこではなくて、見るべきは平成30年(今)の待機児童数です。
待機児童数が100人を超えている区は、基本的に保育園の公募をしています。そして、200人超えている区は結構焦って公募していると思って良いです。
ただ、区によっては、予算や保育の質などを考え、安易に保育園を増やさないという考えの区もあります。
今回は政府の方針で激減させないといけない状況でしたが、今後はまた安易に保育園を増やさないという方針に戻る可能性はあります。
とは言え、狙い目の区は分かりましたね。
東京都▶︎▶︎都内の保育サービスの現状について
開業前に知りたいライバル数(保育園の数)
実際、待機児童数に併せて保育園を設置するだけなので、すでにある保育園の数はあまり関係ありませんが、これも知っておいて損はありません。
ただ、先ほどの待機児童の説明で分かったと思いますが、今回の平成30年は異常な数の待機児童が減りました。
つまり、保育園が異常に出来たってことですね。
東京都の保育園の数の推移
当たり前ですけど、認可保育所は年々増加しています。
しかし、認証保育所の数は27年度から、どんどん減ってます。
これは、既存の認可外保育所を認可保育所へ移行させるよう政府が推奨したからです。
つまり、これは廃業しているのではなく、認証保育所が認可保育所や小規模保育事業へ移行したと考えられます。
*認証保育所も認可外保育所です。その辺の基本が分からない方はこちらの記事を確認してください。
東京都の保育サービスの利用者数
元の表が大きいので、少し画像が荒いですが、認可保育所と認証保育所の推移しか分からないので、利用児童数から考えていきます。
こちらは子供の数なので注意してくださいね。
さて、当然ながら認証保育所は利用者数も減っていますね。そして、もう一つ家庭的保育事業も利用者数が減っていますね。
この家庭的保育というのは、保育ママなどと呼ばれていたもので、自宅などで1人で3人の子供の保育をするといった、超小規模保育です。
これも廃業したのではなく、少し規模を大きくして小規模保育事業へ移行したところが多いです。
認可保育所の定員増も凄い増え方をしています。
一般企業が認可保育所に参入した店舗拡大する場合、60人など100人以下の定員で開園することが多いんですが、この増え方はかなり大きい規模の認可保育園がたくさん作られたということですね。
で、特筆すべきは小規模保育所の利用者数が、+1,200人というところです。
小規模保育事業は、0〜2歳を6人〜19人預かる保育園です。小規模なのにも関わらず、これだけ増えたということは、かなりの数の小規模保育園が作られたと言うことです。
認可保育園は、規模が大きいのでかなりの資金がないと作れませんので、簡単に参入するのは難しいです。
賃料に改装費に敷金に開業前の家賃と、施設整備の補助金で帰ってくるものの、一度は払わなければなりませんので、億近くもしくはそれ以上の資金が必要です。
しかし、小規模保育事業は文字通り小規模ですので、少ない資金でも開業できます。
小規模保育事業で参入できる可能性は十分にあると言うことになります。
おわり
政府は待機児童をゼロにするという方針です。
今回のように、毎年-3,000人とはいかないと可能性はありますが、ゼロにするためには単純に考えてあと5,000人分の保育園を作らなければなりません。
まだまだ待機児童問題は解消していませんので、待機児童問題が深刻なうちに保育業界に参入するのがベストですよね。
と言うわけで、行動はすぐに起こした方が良いです。世間は待ってくれませんからね。
それでは、保育園の開業ができることを祈っております。