当サイトですが、非常に少ない記事数と少ないアクセスにも関わらず、異様なお問い合わせ数と成約数をいただいております。
ありがとうございます。
今回は、「保育園を開業したいけど、業界未経験なので何から始めればいいか分からない」という、よくある問い合わせについて、サイト上で先にお答えしておこうという趣旨の記事です。
こういう問い合わせがかなり多いので、毎回メールで答えるのが非効率だと思い、今回の記事を書きました。
最近は対応に追われているので、初めての方は、この記事を読んで少し考えた後に問い合わせしていただけると幸いです。
この記事を読んでもよく分からんという場合は、もちろんお気軽にご相談ください。
保育園を開業したいと思ったらやること
まずソフトとハード的なことを考えましょう。
まずは保育に関しては完全に素人でしょうから、簡単にしておきます。ソフトから先に書きますが、ハードを先に考えても構いません。
ソフト的なこと
- どんな施設にしたいのか?(どんな保護者向けなのか、雰囲気、対象年齢など)
- どんな保育をしたいのか?(独自の保育サービスか保育の本質を重視するか)
この辺りをざっくりイメージして下さい。
例えば、出産や子育てをした際にあった悩みを解決するような施設にしたいとか、保育園に通ってみて不満だった点を改善した施設にしたいとか、英才教育をしたいとか、カリキュラムなどではない最高の保育を目指したいとか…。
まずは、自分が作る保育園のイメージを作ってください。これは企業理念に繋がる、根幹になるものです。
そして、ターゲット・コンセプト・ポジショニングの設定の元になるものです。
「補助金でウハウハだから保育業界に参入したい」という考えではお話になりませんので、ちゃんと考えましょう。
ハード的なこと
- 施設の形態(認可系か認可外か)
- 施設規模(純粋な広さ、定員数など)
- 立地(自分が通いやすいところか、待機児童が多いところかなど)
施設規模と合わせて考えることですが、認可保育所・小規模保育所・家庭的保育事業のどれかに挑戦するのか、認可外保育所で行くのかを何となく決めます。
用意できる資金にもよりますし、認可の公募に応募する資格があるのかも関係しますが、まずは設定しましょう。
そして、ある程度候補地も決める必要があります。
自分が通いやすいところであれば、出店する自治体はすぐに絞り込めるでしょうから、公募も探しやすいです。
また、通い辛くても保育需要を重視して待機児童が多い自治体を狙いたいという場合も公募を探しやすいですね。
どこでもいいから出店したいという考えでは、関東だけでも30個以上の市と区を調査することになるので、いきなり大仕事です。
自治体を絞り込めば、認可系を募集していないとか、自分は要件を満たしていないことはすぐ分かりますので、次の自治体を探すか、認可外で開業するかもすぐ決められます。
(補足)
- 認可系での保育園の開業は、自治体の公募に応募していくのが基本スタンスです。
- 公募のタイミングは自治体によって違いますので、狙う自治体の数が多いと常に公募チェックをし続けなければなりません。
- 公募に応募する資格(要件)として壁になるのは、保育経験の有無とか充分な経済基盤(自己資金)の有無などです。
過去の公募でも良いので、一度、どのような応募条件なのか確認してみると良いでしょう。
まずは、軽く保育所のイメージを決めて、認可系保育所の公募を探すか、認可外保育所の制度を調べるかしてみましょう。
それでも保育園の開業に向けて動けない場合
ただ、前述のようなことも決められないなら、経営者としての資格がない、もしくは熱意不足と言わざるを得ませんので、当てはまってしまう人は心構えを改善しましょう。
さて、心構えを改善する決意はしてもらったとして、前述の”ソフト&ハード的なことを考えても何も決められなくて全く動けない方”の為に、ちょっとしたロードマップ的なものを示します。
以下は何も決められない人向けの優先順位ですので、決められる方は気にしないで結構です。
- 認可保育所の公募を複数の候補地で探し挑戦する
- 小規模保育事業の公募を複数の候補地で探し挑戦する
- 自主整備での認可保育所・小規模保育事業を開業で認可を得る
- フランチャイズ+認可外で開業する
- 認可外で開業する
自主整備というのは、開設時の補助金をもらわずに開業するということです。自治体も財政に余裕がないところが多いですので、”自主整備なら更に規制緩和”される公募は結構あります。
ここでは優先度を低くしていますが、認可外保育園が悪いということは全くありません。サービスや料金設定など、自由度が高いですし、施設規模は完全に自由です。
「認可系だと理想の独自サービスができない!」という場合は認可外保育所の一択です。
小規模保育園に拘りすぎると開業は無理
小規模保育園、正式には小規模保育事業ですが、認可が必要です。
”小規模だから少ない自己資金で開業できる”という理由だけで、小規模保育事業で開業したいと言う方がやたらと多いです。
小規模だから自己資金が少なくても開業できるのは事実ですが、認可が必要なので実績や信用が必要なのは言うまでもありません。
なぜ、実績もなく信用もない人が、小規模保育事業で参入したいと思うのか分かりませんが、もしかして「補助金でウハウハしたい」からですか?
補助金でウハウハしたいなら、認可保育所を”複数”経営するしかありません。小規模保育事業を一つや二つ開業しても全然儲かりませんので、注意してください。
もちろん、低年齢の児童の保育が好きな保育士が独立するなら、小規模保育事業は当然オススメですよ。
ただ、待機児童が多い自治体は規制緩和してきますので、実績がなくても参入できる可能性はあります。
ただ、補助金が欲しいだけの事業者なんて、自治体も見抜けますので、応募しても必ず落ちます。
保育実績なしの方の開業から保育事業拡大への道
さて、色々と文句も言いましたが、夢も語っておきましょう!
保育業界は、新参者お断りの業界です。いきなり認可をもらえるなら、超ラッキーです。
もちろん、その超ラッキーは常に狙うとしても、現実的な『保育事業の開業から拡大』についてのアドバイスです。
- 認可外保育所を開業して保育事業者になる
- 小規模保育事業を開業して信用を深める(飛ばしてもOK)
- 認可保育所を開業して実績を信用を深める
- 認可保育所を開業する
- 認可保育所を開業する
- 認可保育所を開業する
ちょっとフザケてるように見えるかもしれませんが、インパクトを重視しました。
もう少し説明しますと…
- 認可外保育所で保育事業者となって、実績を作ります。
- 認可外の実績を元に小規模保育事業に参入します。
- そして、認可外保育所と小規模保育所の実績と信用を使って、認可保育所を開業します。
- もう立派な保育事業者ですので、更に認可保育所を3施設ほど作ります。
- これで、年商5億を狙える会社になるかと思います。
一度、小規模保育事業を挟むのは資金面を考えてのことです。資金調達ができるなら、色々飛ばして認可保育所の開業に挑戦した方が良いです。
認可を得た実績があれば、融資などもかなり受けやすくなりますので、次の施設整備費の確保が容易になり、好循環ですね。
さいごに
一度、認可を取れれば、公募の要件を余裕で満たせるようになりますので、拡大は比較的容易です。
しかし、最初に認可を取れるのは超ラッキーで運任せですから、認可外から着実に狙っていくことも検討すべきです。
認可が実施できないような保育サービスのアイディアがあるなら、認可外でも成功できる可能性は大いにあります。
まだまだ注意事項はたくさんありますが、今回はこの辺で終わります。
それでは、保育事業に参入できることを祈っております!
参考までに、フランチャイズ+認可外保育所の開業について詳しく書いた記事も読んでみてください。