「保育士資格も経験も知識も資金もないのですが、自分で保育園を開業してみたいと思うようになりました。どうすれば保育園を開業できるでしょうか?」
という質問がたまにきます。
「そんな状況で、なんで開業したいと思ったんですか?」と掘り下げても意味がなさそうなんで、とりあえず「無理ですよ〜」という旨の返事をすることになります。
さて、と言っても資格・経験・知識・資金が無い無い尽くしの場合、まず何が無いのが一番ダメなのか?
そして、何も無い場合、どうすれば良いのでしょうか?
この辺についてお話していきます。
ちなみに、まだまだ社会をよく知らない若者向けの記事になります。
保育園を開業するために一番必要なもの
資格・経験・知識・資金の全てが無い場合、すぐに開業するのは無理です。
何も無いので当たり前ですね。
ただ、この中で一番必要なものは、資金です。
資金がないのなら、店舗を持つタイプのビジネスは全部不可能ですから。
開業資金がないなら開業できないのは当然です。
資格・経験・知識が無いのは、ほぼお金で解決できる
まず、保育士資格を取るのは大して難しくありません。
勉強が得意な人なら100時間くらい勉強すれば取れると思います。
保育士試験は年に2回で、試験ごとに半年の間隔がありますが、半年勉強すれば受かります。いまいち時間が取れなくても1年あれば充分でしょう。
私は、元々知識があったのもあって、合計2〜3週間勉強しただけで取れました。
経験はすぐには手に入れられませんが、開業に係る知識は身につけられますね。
お金がない場合は、全部自分が持っていないといけなくなるんですが、もしお金があったとすると必要ありません。
少し説明します。
保育園開業に資格は別にいらない
保育園を開業するのに、社長が保育士じゃなければならないという決まりはありません。
園長は有資格者が望ましいですが、園長ですら保育士はなくてもOKのルートはあります。
保育所を開業したいんなら保育士資格くらい取れば良いと思いますが、保育士資格を断固として取りたくない場合でも、保育士資格のある人を雇えば済みます。
保育園開業に経験は必要なことも
経験に関しては、2種類あります。
保育士としての実務経験と、保育事業者としての運営経験です。経験というより、実績と言う方がしっくりきますね。
園長に任命する人は、保育士としての実務経験は必要とされることもありますが、前述の通り雇えば済みます。
保育事業者としての経験については、認可等の公募で必須としている自治体が多いです。
「応募時点で1園以上の認可保育所を運営していること。」などと応募条件に書いてあります。
認可外で開業して保育事業者としての実績を積むのであれば、保育事業者としての経験も必要ありません。
保育園開業の知識は身に着ければ良い
保育園の開業の知識ですが、認可系を狙うのであれば、募集要項などをしっかり読めば大丈夫です。
忙しい人は、私のようなコンサルタントを雇えば解決です。
ただ、最後まで知識ゼロで開業するなんてことはあり得ませんので、後から身に着けることになるでしょう。
何か何までコンサルタントに任せることも可能ですが、数百万円の費用が必要になりますので、オススメしません。
私も、全部丸投げされる依頼はお断りしてます。
無い無い尽くしでどうやって保育園を開業するか
自治体によっては、保育事業の経験がなくても認可系の公募に応募できることもありますし、認可外なら設備基準を満たしていれば経験などは問われません。
つまり、何よりも大事なのはお金を手に入れることです。
地域や規模によって数百万〜数億円と幅がありますが、何も無いなら小規模保育事業の自主整備か小さい認可外保育所を作るところを目指すことになると思うので、1000万〜3000万ほど必要になります。
お金を手に入れる方法は、銀行等の金融機関からの融資か、出資者を探すか、クラウドファンディングかの3択と言ったところでしょうか。
あと当然ですが、起業する時に身内からお金を借りるのは恥でもなんでもありません。今はそれなりに偉そうにしてる社長さんでも、最初は親に「お金貸してください。」からスタートした人は多いですよ。
お金を手に入れるには、信用が必要になる
お金を借りるには信用が必要です。出資にしても同じです。
信用というと、以下のようなものが必要になってきます。
- あなたが保育士としての経験が10年以上あって、充分なスキルがある。
- 自己資金が開業資金の3割〜5割以上ある。
- しっかりした事業計画を作ることができる。
残念ながら、これらを満たすには”保育士資格・保育経験・知識・一部の資金”と、結局は全てが必要になってしまいますね。
これ、10年くらいかかるかも知れません。
保育士資格と充分な経験がある人と一緒に立ち上げられる場合は、資格と経験は不要ですが、一人でやる場合は、結局全てが必要ということになります。
おわり|何もないなら10年くらい頑張る覚悟をしてください。
開業資金がないのに開業したいというのは、残念ながら甘すぎです。
さらに、資格も経験も知識もないなら、なおさら甘いです。
お金さえあれば他はどうにかなりますが、何もないならお金を借りるための社会的信用を手に入れてください。
社会的信用を得るためには、結局は全て必要になってしまいます。
つまり、本当に何もないなら、10年くらいは信用づくりのために地道に頑張るしかないということです。
認可保育所を開業するためには、そこから更に保育事業の経験すら必要になってきます。
残念ながら、保育業界に関わらず、社会というのはそういうものです。
諦めろと言っている訳ではありません。起業というのは、それくらいのモチベーションが必要ということです。
ぜひ、諦めずに頑張ってくださいね。
それでは、保育園を開業できることを祈っております。