保育事業の経験がないのに保育園を作りたいという方が非常に多く、小さな私のブログでも毎日のように問い合わせがきます。
開業する資金がない場合は、何をやっても無理なんで諦めてもらうとしても、仮に資金があっても認可は簡単に取れるものではありません。
子供の命が関わっていますし、税金も使うわけですからね。
「保育園儲かりそうだな〜」くらいの考えではまず認可は取れません。
普通に考えて、補助金目当ての事業者に税金あげたくないですし、そもそも子どもを預けたくないですよね。
というわけで、今回は、補助金目当てという企業理念を捨てていただいて、認可外から保育事業を拡大して後で認可を取りに行くお話です。
認可系保育園の開業を目指しても無理な場合が多い
認可保育所や小規模保育事業、認証保育所など、結構な税金が投入されるものは、当然認可を得る要件が必要になります。
そこで公募の際によく見かけるのが以下の要件です。
○年以上保育事業を行なっている法人
みたいな感じです。
つまり、多くの自治体が「新規参入お断り」なんですね。
転職でも同じですよね。未経験より即戦力が欲しいのは当たり前です。
しかし、待機児童問題で困っていれば未経験の法人でもOKな自治体もありますし、幹部職員に事業経験者がいればOKとか、保育経験の豊富な園長を用意できるのならOKという自治体もあります。
諦めずに頑張れば、チャンスはあります。
ただ、公募の要件はこれだけではなく色々で、経済基盤も見られますし、決算も見られますし、新設法人がNGなこともあります。
色々な要件を確認して、「認可取れなさそう…」と思ってすぐ諦めるのも良いですが、認可外保育園の開業を検討してみてはいかがでしょうか?
認可外保育園の開業でもオススメする理由
まず認可がとれない、応募する資格がないということは、ハッキリ言うと、あなたは認可を得られるレベルの事業者ではない訳です。
認可を得られるレベルにないというのは悔しいかも知れませんが、残念ながら補助金をバリバリもらえる事業に参入するのは簡単ではありません。
しかし、認可外保育園は当然認可が必要ありませんので、開業できます。
そして、認可外保育園を経営していれば、保育事業の経験のある事業者として認識されます。
自治体によっては、認可外の経営実績を認めてくれないことろもありますが、認可外保育園を1〜3年以上経験していれば、実績として認めてくれる自治体も少なからずあります。
よって、認可外保育園を開業し、その経営実績をもって、2店舗目に認可保育所や小規模保育所の開業を目指すという方法をオススメしている訳です。
場合によっては、その認可外保育園をそのまま認可保育所や小規模保育事業に移行できることもあります。
認可外保育園を開業する前に検討すること
「認可外保育園を開業しよう!」と決意したとしても、勢いで開業してはいけません。
認可外保育園の最大の欠点は、集客が簡単ではないところです。
待機児童が多くて困っている地域に開業すれば、一時的には園児が集まるかも知れません。
ただし、保護者の負担は大きくなりますので、「認可に受かったので辞めます」という園児が後を絶たないでしょう。
待機児童問題が解消したり、近くに認可保育所ができたら潰れてしまうかも知れません。
つまり、何も考えずに”ただの保育園”を作ってしまうと、潰れる可能性が上がりますよということです。
認可外でも認可より儲かっている保育園はたくさんありますが、何故か”劣化認可保育園”を作ってしまう方が多いんです。
認可外なのに、認可の真似をしても劣化にしかならないんですよ。
よって、”良質な独自サービス”もしくは”認可にできない手厚い保育”が必要になります。
そこでもちろん、コンサルタントやフランチャイズを検討するべきという訳です。
認可外保育園の開業でもコンサルやフランチャイズは効果的
自身の経験を活かしたアイディアなどがあって、それに迷いがないなら自分で開業に向けて猛進しても良いと思います。
良いアイディアがない場合は、前述の”劣化認可保育園”として潰れる可能性が高い未来が待っています。
さらに、認可外とはいえ保育園ですから、様々な障害があります。
書類の整備であったり、保育士の確保であったり、基本的な保育の流れの確立であったり…
未知の分野でしょうから、ノウハウを自分で蓄積するのには時間がかかります。そして、そのノウハウ蓄積の時間はとてももったいないです。
よって、さっさとアイディアやノウハウを買ってしまうのが一番ということです。
コンサルに一部を任せるのも良いですし、フランチャイズでささっと全部作ってしまうのも良いでしょう。
認可外保育園開業時のコンサルとフランチャイズの比較
認可外保育園に必要なのは、先ほど書いた”良質な独自サービス”か”認可を超える手厚い保育”が必要です。
両方できればそれが良いことは言うまでもありませんが、手厚い保育については、保育士の質によるところが大きく、実現に時間がかかる場合が多いです。
そこで、まずは”良質な独自サービス”の方を先に考えましょう。
保育園コンサルタントの場合
コンサルタントは、スポット的に使えるのが最大の魅力で、問題が解決したら解約できるか、契約期間が決まっていることが多いです。
コンサルタントを使って”良質な独自サービス”が決まって、施設づくりや組織づくりが終わったら、そこで終了です。
基本的には自分でやりたいけど、最初だけ優秀な人をサポートにつけたいという場合は、コンサルタントを使うのがオススメです。
保育園フランチャイズの場合
フランチャイズは、実際にそのシステムで複数店舗が稼働していること・ネームバリュー等で集客の助けになること・全てがパッケージ化されていて言う通りにするだけで比較的スムーズに開業できることが強みです。
そして、フランチャイズのパッケージを無視できないことや、フランチャイズ料がかかり続けることが欠点です。
しかし、例えば、保護者がホームページを見た時には、多店舗展開している信頼できる保育園だと思わせることができる訳で、集客にはかなりのプラスですよね。
これだけでもフランチャイズ料を払う価値はある訳で、自分にアイディアとノウハウがない場合はオススメです。
ただし、多店舗展開する場合は、契約内容によって制限されたりしますので、しっかりとした交渉力が必要になります。
2店舗目に認可を得ることを目的とする場合は、フランチャイズで良い場合も多いです。
認可外保育園の開業でフランチャイズ業者を探す場合の注意点
子供の自主性や主体性を重んじる”保育の本質”はさておいて、認可外の場合はビジネス色が強くなります。
つまり、保護者に「高くても通わせたい!」と思わせなければなりません。
認可保育所よりも高い費用にふさわしい価値の提供です。
そこで、何度も言ってますが”普通の保育園”を作ることは自殺行為で、”劣化認可保育園”になるだけです。
ですから、フランチャイズ業者を選ぶ際には、必ず”良質な独自サービス”を実施している業者かどうかを確認してください。
(前述の通り、”認可を超える手厚い保育”の実現は後回しになると思います。)
おわり:認可保育所でも認可外保育園でも相談はお気軽に
さて、認可保育所や小規模保育所の開業が難しそうでも、認可外を挟むことで保育事業者として認可を得られるようになります。
待機児童問題が解消する前に、認可外保育所を開業して実績を作り、認可を得る流れも検討してください。
ただし、せっかくの認可外ですから、認可外の強みを活かした独自サービスを実施しましょう。
私自身は保育園のコンサルタントですが、フランチャイズについてもある程度知識がありますので、認可・認可外、コンサル・フランチャイズを問わずご相談はお気軽にどうぞ。
簡単な相談は無料で対応しておりますし、オススメのフランチャイズ業者もあります。