いきなり起業するより副業を推進している当サイトだが、副業の現在の状況とこれからについて少し掘り下げてみたい。
今回も国が打ち出している、働き方改革を元に考えていく。
実は、副業を禁止している企業は80%にも登る。しかし、非常に多くの人が「副業から始めていずれ独立する」というルートを希望しているのだ。
今回の記事で、副業を開始する(少なくとも準備する)キッカケになると思う。
働き方改革の副業
働き方改革では副業や兼業を推進する方向で動いている。前回の記事でフリーランスについても対策がなされようとしている話を書いたが、フリーランスだけでなく副業に対して日本はあまりにも消極的だ。
副業や兼業を推進する理由
まず働き方改革内で記されている以下の部分を見てみてよう。
諸外国では副業・兼業を通じた起業が開業率の向上にも寄与しており、新たな技術の開発、オープンイノベーション、起業の手段や第2の人生の準備としても有効である。
経済成長のためには、新たな起業が生まれて育ってもらわなければならない。よって、開業率の向上は重要である。
そして、副業や兼業によって、複数の仕事をこなすことで、多様な技術やノウハウ・アイデアなどを組み合わせれば、より良いサービスや新しいサービスが生まれる可能性がある。(これをオープンイノベーションと言う。)
また、定年後も働く必要がある時代、というか今後は定年がなくなる可能性があるので、副業である程度の基盤を作っておいて、老後に起業して生活できるようにするのも重要だ。
もちろん、老後にコンビニでバイトするのも構わないが。
副業の現状と課題
副業・兼業を希望している人は多いが、希望どおり副業・兼業を行うことができないのが現状である。
• 副業を希望する就業者数:368万人
• 副業を持っている者の数:234万人
• 副業を認めていない企業:85.3%
副業を認めていない起業が85%以上いて、副業を希望する人が370万人いる…。
というか、副業している人が234万人って多いな!
とりあず、希望していいる人が多いにも関わらず出来ていない人が多いというのは、問題だ。
それに、副業で成功する人が増えてくれば、副業を希望する人は激増する。ただ、副業が一般的になってからスタートするのは遅い。立派な後発組になってしまっている。
ネットを使ってブログやアフィリエイトサイトの運営などで、副業起業をする場合は特に。
次に、副業・兼業は起業の手段としても有効だという話だが、
<起業と起業意識に関する調査(2016年)>
• 勤務しながら起業:27.5%
• 起業に関心を持つ勤務者のうち、副業起業を希望:59.7%
• 事業が既に軌道に乗っている:[初めから専業起業]34%[副業起業から専業に移行]47.4%
これは非常に興味深いデータである。
まず起業した人たちの中で、副業起業した人が27.5%。副業起業からスタートしたいと考えている人が59.7%既に起業している人の中でも約半数が副業起業が始まりだった。
副業がまだまだ認められていない中でも、既に軌道に乗っている人たちの半分が副業から起業しているという事実。
始めから起業するよりも、副業起業から方が軌道に乗りやすいということは、会社員の内に如何に副業で基盤を作っておくかが重要か分かる。
副業推進の方法
では、どのように副業を推進していくのか見てみよう。
ガイドラインの策定やモデル就業規則の改定など副業・兼業の普及を図るとともに、副業・兼業を通じた創業・新事業の創出に関する好事例の横展開を図る。その際、長時間労働を招かないよう、労働時間管理の在り方等についても整理する。
ガイドライン~?とか思うかも知れないが、政府のガイドラインは結構重い。
具体的な施策
ガイドラインの策定
副業や兼業を推進するために、副業のメリットを示し就業規則等において副業を禁止させないようにしていく。
モデル就業規則の改定
ガイドラインに合わせて、当然にモデル就業規則が作られる。
複数の事業所で働く方の保護や副業・兼業の普及促進に関する制度検討
あまりやらないケースだと思うが、15時間、15時間、15時間と3つの会社で兼業したとすると、週20時間以下なので、雇用保険に入れない。
また、労災も事故が起きた働き先での給料で算出されるので、15時間分の給料が元になってしまう。
この辺りも是正できるように検討される。
副業・兼業を通じた創業・新事業の創出、人材確保
副業や兼業を受け入れる事によるメリットの周知と同じだが、副業者を受け入れる前提で新事業を始めることや、副業者を受け入れることで慢性的な人手不足である中小企業の人材確保策になることを、周知していく。
副業時代到来までのスケジュール
現在は、ガイドラインやモデル就業規則を作って周知し始めたという状況。しかし、2020年や2021年までに周知されていく。
つまり、2020年ごろには副業を認める会社がだいぶ増えている可能性がある。
この政府の改革が大コケする可能性もなくはないが、副業による成功事例(副業起業して成功した人達の話しや、副業者を受け入れて成功した起業の話)が出てくれば、積極的に副業を認める企業は増えるのは間違いない。
おわり
今回の元ネタも前回と同様、「働き方改革ロードマップ(首相官邸ホームページ)」だ。
仮に2020年に多くの企業が副業を認めたとしても、そこから始めていては遅い。副業ライバルがマックスの時にスタートするのはオススメできない。今のうちから準備をしておかないと、いざ解禁になった時に出遅れる。
副業で収入アップのみを狙う人、副業で成功して独立したい人など様々だと思うが、どちらにしても副業に興味があるのななら、チンタラやっている場合ではないようだ。