私は労働が嫌いだ。
特に古い世代の社長さんは、社員のことを従業員と言呼ぶ…。この従業員という言葉もイマイチ気に食わない。
それはさておき、求人倍率も史上最高になると言われている昨今、労働者には良い時代なのかもしれないが、いま進んでいる働き方改革…。
副業や兼業を希望する人、フリーランスにとっては、良いことが多く書かれている。
しかし、裁量労働制・見なし残業については、なんとも怪しい雲行きである。
働き方改革と固定残業について
有名企業は「ウチは働き方改革してるよ!」と本まで出版してアピールしている。
アクセンチュア流 生産性を高める「働き方改革」 [ 江川昌史 ] 価格:1,998円 |
こんなん誰が読むん?と思ったら、コンサル系の仕事の人は結構読んでいた。売れ行きもかなり良いらしい。
私は、以前、経営の部署にいて、結構自由に出退社していたので、普通の9:00~18:00+残業みたいな会社に勤めるのは難しい。
私の信念は…
「労働=成果」であり、成果を上げられない者には最低賃金しか支給する必要はない。成果を上げられれば労働時間の長さはどうでもいい。
ブラックか!と言いたくなるかも知れないが、違法ではないのでブラックではない。もちろん、こんな謳い文句で求人を出しても応募はないし、部下もついて来ないだろう。
最低賃金で雇うことに何ら問題はないが、サービス残業や無給の土日出社は思っきり違法である。
というか、サービス残業や無給の休日出勤分をしっかり計算したら最低賃金を切っていることも結構あり、最低賃金で雇ってもらったほうがマシだったりする。
さて、最近でも転職しようとしたら、以下の様な求人広告が多い感じだ。
暇なら転職活動する気が無いとしても、求人サイトを見てみると結構おもしろいのでおすすめ。
「給料28万+賞与3回!年間休日120日以上!未経験歓迎!」というような求人広告が良くあるが、注意書きに「この給与には固定残業代60時間分85,000円が含まれています。」
28万貰えるなら良いと思うかもしれないが、問題はもちろん固定残業だ。
60時間も残業するなど、私からすると考えられない。というか、残業が無かったら19万5000円しか給料が無いということだ。安っ!
私のような8時間しか働きたくない人間の場合、20万弱の転職先しか無いということだ。
よって、世の中の中流の層は、残業代で年収を確保しているということになる。
誰も彼もが起業して稼げる訳でもないので、一つの会社に在籍して残業した方が給与を引き上げるのは簡単である。残業代は割増賃金だからだ。
しかし、19万月給と8万の残業って、ワークライフバランスは大丈夫なのか?
固定残業60時間の場合
とりあえず、2018年3月で例に取ってみよう。
22日間の平日があって1日8時間労働とすると、176時間働くことになる。そこにみなし残業の60時間が加わるので、236時間だ。
もちろん毎月綺麗に60時間残業する訳ではないのだが、60時間と設定してあるのだから、目安にはなるだろう。
236時間を先程の22日で割ると、10.7時間だ。
毎日10.7時間労働…それに休憩時間が1時間あって、通勤時間が往復1時間ずつの2時間あるので、約14時間の拘束時間になる。
生活サイクルは?
14時間の拘束時間なので、1日の残りは10時間しかない。8時間睡眠を取るとすると、朝飯と晩飯と風呂と身支度で全部合わせれば男でも2時間はかかるので、もう1日終わり。
つまり、平日は仕事のみに人生を捧げることになる。
もちろん、その代わり完全週休2日制というところが多いので、土日は休みなのだが、私には足りない。
もし、土日も出勤させられるなら、「コレ、何の拷問?」としか思えない。
それは何故問題なのか?
私からすると異常だが、一般の人からすると結構普通っぱい。だから、それのどこが問題なんだと思うかもしれない。
定年制も崩壊するし、年金も怪しい、何歳まで働かないといけないか分からない。それに、会社の生存率は30年後は0.02%だ。
定年にせよ、倒産にせよ、単に飽きたにせよ、遅かれ早かれ転職が来ると思う。
何も考えずに残業しまくりながら働いたら、いつの間にか会社が潰れてました。
今まで、家と会社の往復なので疲れ切っていて、スキルアップにかける時間もなく、以前の会社でも大したスキルを身につけることも出来ませんでした。
いざ転職しようと言う時に、こんな状況は大問題だろう。
若者が減っていて、老人の将来しか考えていないこの国のシステムの中で、若者が会社愛とか言ってられなくなるのはよく分かる。
そこで改革!
そこで、「良いこと思いついたー!」と出てきたのが働き方改革だ。
働き方改革とは?
労働力不足を解消し、一億総活躍社会を作るというものだ。
もちろん、狙いは税収アップ。
少子高齢化の影響で、日本人は減少の一途。労働力は無くなっていき、税収は激減する。よって、高齢者も女性もガンガン働かせて、非正社員(非正規)の給与も上げさせようという考え。
働き方改革で、「皆が働きやすくなれば、皆働くよね!」と思っているのだ。
内閣官房内閣広報室の働き方改革の計画書へのリンクを貼っておくので、とても読む気になれない量だが、恐ろしく暇なら見ておこう。
内閣官房内閣広報室▶働き方改革実行計画概要
改革なので、今の労働者を取り巻く環境を変えたいという訳だ。そして、内閣府が思っている課題はこれだ。
ここでは別に悪いことは書いてない。
しかし、具体的な議論を行う中で、私がどうしても看過できないのは、長時間労働を辞めさせようとして、月の残業の上限を100時間にしたり、裁量労働制を拡大しようという話になっているところだ。
固定残業も長くて驚くが、裁量労働制を認める仕事を増やすのは、全く逆の話になってしまう。
裁量労働制とは
裁量労働制は労働基準法の定めるみなし労働時間制のひとつとして位置づけられており、この制度が適用された場合、労働者は実際の労働時間とは関係なく、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなされる。
業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務に適用できるとされる。
労働時間を自分の裁量で短くしてもそのまま給料が貰えそうだ。やったー!
しかし、実際はぜんぜん違うことになるだろう。
裁量労働制の問題は、先程の固定残業が60時間の例で考えると、1日に10.7時間分の給料だが、「9時間で帰っても10.7時間働いたとみなす、しかし、12時間働いても10.7時間働いたとみなされる可能性がある」ということ。
サービス残業やサービス土日出社を、社員が自分の裁量でやっていると言われる可能性があるのだ。更に、これはあくまで時間の話であって、仕事量の話ではない。
ブラックなら10.7時間では終わらない仕事量を与えられて、「お前の裁量でやれよな(ニコ)」と言われても、終わらないので更に残業するハメになり、更にそれを自分の裁量でサービス残業していることにされるということだ。
優良企業は優良社員が多いので、優良企業は適切な仕事量を与えて、優良社員はそれを効率よくこなすだろう。しかし、優良企業と言われている時点で、そんな会社は少ない。
つまり、この法案は「ブラック促進法案」ということだ。あ、まだ法案じゃなかった。
先程、固定残業60時間の例を出したが、あれだけで平日は全て壊滅する。働きマンのおじいちゃん達からすると「ワシの若い頃はそんなもんじゃなかった」という感じなのだろうか。戦後と一緒にされても困る。
働きおじいちゃんマンは、終身雇用だから頑張っていただけだ。転職という考え方が無かったので、とにかく頑張って出世しようとした。
しかし、私たちは終身雇用ではないので、常に次の職場のことを意識しなければならない。会社のために全てを犠牲にしている場合ではないのだ。
改革もちょっと怪しいので…
私はこれからは個人やSOHOの時代だと思っているので、そっち方面に目を向けたほうが良さそうだ。
働き方改革では、副業や兼業、フリーランスの処遇改善にも目を向けてあるので、そちらは期待できる。
個人がそれぞれが起業して活躍しやすい社会が来て欲しいが、それはそれで個人間の競争が激化するだろう…。
このサイトでは、フリーランスとして独立するよりも、まずは副業で起業するのをおすすめしている。
めちゃめちゃ忙しい毎日を送っていると思うが、副業を仕込んでおけば、必ず将来的にプラスになる。
おわり
今や誰も彼もが批評家気取り、ネットで偉そうな事を書いて自分に酔っている。
今回はそんな記事になってしまった。
私は「早くベーシックインカム来ないかなぁ」と思っている怠け者です。働きたくないです。