こんにちは。
保育園の開業・経営などのコンサルやアドバイス、Webサイト運営、個人向けWeb関連アドバイス、転職エージェントなどを中心に活動しております。
しかし、最近になって「居酒屋のプレイングweb等コンサル(以下、居酒屋コンサル)」のご依頼がありました。
今回で飲食店のコンサルは2回目で、まだまだ実績的には悲しいですが、儲からなくて困っている居酒屋のオーナーさんには恐ろしく耳が痛い話…つまり、すぐに改善すべきお話に仕上がっていると思います。
居酒屋コンサルを行って分かった、”赤字経営まっしぐらの居酒屋が集客をする前に必要なこと”についてお話しします。
稼げない居酒屋のオーナーの特徴
居酒屋は業界自体が結構ヤバイという話もよく耳にします。
しかし、繁盛している居酒屋は山ほどありますし、都内なら連日満席のお店も珍しくありません。
では、なぜ居酒屋を経営して稼げないのでしょうか?
あ、今回は、居酒屋の規模は1〜3人で回せる程度の規模の居酒屋を想定します。
大きい規模の居酒屋でこれをやってたら、100%潰れますのでもう手遅れですからね。
◆稼げない居酒屋の店主の特徴◆
- 考えるだけで満足して行動しない・行動するだけで儲かると思ってる
- ターゲットが「全員」
- コンセプトがない(つまり普通の居酒屋)
- ポジショニングがない(つまり普通の居酒屋)
- 勉強しない
- カード決済を導入してない
- 即効性のある集客を求める
- 「自分が飲みに行ってお返しに飲みにきてもらう」集客をする
- 変なビジネス組織に入って客を呼び込もうとする
- SNSに興味がない・重要性を分かっていない
- イベントができない・やってみようともしない
- 友人・知人を大事にしない
- 喋りが下手
- コース以外の料理の提供が遅い
- ”無駄に”メニューの数が多い
- 探し物をしてる時間が長い
- 食器がぬるぬるしている
- 看板メニューや名物料理がない(客目線で)
赤字が致命的な欠点で、黒太字は急いで改善すべき欠点といったところです。
イベントをやるやらないはお店をやっている方のこだわりもあるかと思いますが、普通”開店○周年イベント”くらいは自然発生するはずです。
そもそも居酒屋は集客以前にやることが沢山ある
この記事もそうですが、居酒屋は集客に入る前にやるべきことが沢山あります。
「集客しても効果がないなあ」と悩んだりしているのなら、実際は”まだ集客するレベルにすらない”のです。
この状態で集客をしても、「ダメな店ですから二度と来ないでね!」と宣伝しているようなものなんです。
儲かったらこうする…とかではなく、受け入れ態勢を整えてから集客しなければなりません。
中高年をターゲットにしてて、和牛ロースとか揚げ物だだらけのメニューばかりじゃ、集客しても無駄金になって地獄を見るし、お客さんも中高年向けじゃないことで地獄を味わいますよね。
もはや、不味すぎて有名な店を目指すの方が儲かるかも知れません。(狙ってやるなら、これも立派なコンセプトです)
そこの地域住民は無限に存在する訳じゃないんですよ?
すでに儲からずに焦っているとは思いますので、のんびり準備ばっかりしてられませんし、充分働いているとは思いますが、ここは体に鞭打ってでも受け入れ態勢を整えましょう。
そして、儲からない居酒屋から脱却してつつ、ちゃんとした集客を始めましょう!
あと、基本すぎて上の一覧には逆に書いていませんが、差別化は必須です。でも、上の一覧をちゃんとすれば差別化になりますので、ぜひとも頑張って!
儲からない居酒屋の特徴を掘り下げて改善しよう
頑張って減らしたつもりが18個もあったので、困りました。
18個も深く掘り下げると記事を完成させるのに1年くらいかかりそうですし、あまりの長さに読む気が失せそうですよね。
なので、2記事に分けて説明することにします。
最後に黒太字の項目を掘り下げる記事のリンクをつけておきます。
この記事では、もちろん赤文字の致命的な欠点の方を掘り下げていきます。
考えるだけで満足して行動しない・行動するだけで儲かると思ってる
成功しない人って、「頭の中で考えるだけで満足して行動しない」、「改善しない」、「継続しない」という3点が揃ってるんですよね。
「改善しない」「継続しない」というのは、ここでは一応置いておきます。
「こういう新メニュー試してみようかな」とか考えるのに、新メニューを全然作らない。
作っても全然宣伝しない。インスタに投稿したり、店内にポスター貼るだけ。
それだけで、本当に新メニューが名物メニューや看板メニューになると思いますか?思ってないですよね?
そうです。ここから一歩踏み込んで、宣伝しないといけないんですよ。
何回もSNSに投稿したり、お客さんに「ウチのオススメはこれです!」と何ヶ月も言い続ける、そのメニューの宣伝のためだけにフリーペーパーに載せる…など。
そもそも、あまり深く考えずに新メニューを追加してそうですけど、そんなメニューなら別に追加する必要ないですよ。
メニューは、看板メニューを作るか、看板メニューの前後に食べてもらうために作るか、常連さんのリクエストに答えて作るなど、何かしらの目的の元に作ってくださいね。
次に、お店を出すという凄い行動をしたのですから、行動力がない訳ではないはず。
でも、赤字経営まっしぐらになっているということは、もしかすると「お店を出したら儲かる」と思ってたのではないでしょうか?
全く行動できない人よりは遥かに良いですが、これは行動するだけで儲かると思っている訳です。
単に行動するだけでなく、儲かるための行動をしなければ儲かりません。
儲かるための行動というのは、例えば、このページに書いてある改善点をすぐに改善することです。
居酒屋の客ターゲットが「全員」
ターゲット・コンセプト・ポジショニングというのは、お店をするなら考えて当然なんですが、何も決めてない人は結構多いです。
お店のターゲットは誰ですか?→「サラリーマン・ちょっと富裕層、あと女性客も欲しいな」
はい。100%稼げません。
そのターゲットに向けて何を提供すれば、そのターゲットが満足するか何も決められません。
ターゲットって、怖いくらい狭めても良いんです。
マーケティングの基本に「ターゲットを狭めるほど自分のことだと思う」というのがあります。
実際にこれをやるのは怖いんですけどね。
例えば、「サラリーマンのあなたにオススメ!」より「残業が多くて家にほとんど帰れないサラリーマンにオススメ!」の方が良いです。
お客様が勝手に脳内で自分もその要素があると変換してくれるんです。
もう一つ例えると、近くに総合病院があったとして、”看護師限定のお得なコース”を作ったとしましょう。
そうすると、「准看護師じゃダメですか!?」「歯科衛生士はダメですか!?」「医者はだめ!?」「自分は看護師じゃ無いけど、看護師連れて来れば良いですか!?」と、自分もその要素があると近づいてくれるんです。
これはターゲットを狭める効果と、限定という希少効果が合わさってますが。
ターゲットの選定によって、居酒屋に必須の差別化も図れたりします。
ターゲットの設定はしっかり狭めで行いましょう。
コンセプトがない(つまり普通の居酒屋)
ターゲットの次はコンセプトです。ターゲットの設定ができたら、そのターゲットを満足させる店作りをするために、コンセプトを決めます。
コンセプトもターゲットと同じで、今までが曖昧なターゲット設定なら、おそらくコンセプトが無いか、有って無いようなものです。
あなたのお店のコンセプトは何ですか?→「美味しい料理とお酒でくつろげるお店」
あなたのお店のコンセプトは何ですか?→「おしゃれな居酒屋」
はい。80%稼げません。
ターゲットと合わせれば可能性はあるので、80%にしました。
しかし、美味しい料理とお酒って、相当なもの用意しないと無理ですよ?おしゃれな居酒屋って相当おしゃれじゃないとダメですよ?
今から新店舗作るならどうにかなると思いますけど、今から変えるのは難しいですよね。
安易で無意味なコンセプトではなく、ターゲットを満足させるためのコンセプトにしましょう。
コンセプトもしっかり決めれば、他店との差別化になります。
今はまだ改装することもできませんし、ターゲットが満足するコンセプトを決めましょう。
ポジショニングがない(つまり普通の居酒屋)
ターゲットとコンセプトの次に、ポジショニングも設定しましょう。
このターゲット・コンセプト・ポジショニングがしっかりできていると、居酒屋で最も重要な差別化がほぼ完了する訳です。
コンセプトを考えてると、ポジショニングの設定がまとめてできることもありますが、できる限りポジショニングは別途しっかっり考えると良いです。
当たり前ですがポジショニングをする上で重要なのは、他店の調査です。
他店と違うポジショニングを取ることで、簡単に差別化できる訳ですから。
”高価格・低価格・雰囲気重視・大衆向け”みたいなことで、ポジショニングを考えるのがスタンダードですかね。
ポジショニングマップを作って、自分の店のポジショニングを決定しましょう。
ターゲット・コンセプト・ポジショニングが揃うと「ウチは何の店です」と胸を張って言えるようになります。
勉強しない
暇な時間に何してますか?SNSのアカウントの強化に務めたり、SNSで宣伝したり、友達に来店のお願いしたり、料理の写真撮ったり、掃除してるなら良いですけど…
仕込みやらの準備も終わって、漫画読んだり・動画見たりしてませんよね?
やることは沢山ありますよ!無いと思うなら、勉強してください!
例えば、ぐるなびを使ってるなら、管理画面に”アンケート結果レポート”というのがありますよね。
「こんなの読んでも意味ない」と思ってるならアウトです。
その中の「2017年の経営戦略」なんて結構勉強になります。普通の店は「お値打ち感・コストパフォーマンス」を重要にしている反面、繁盛店は「高くても美味しい料理やオリジナリティ・独自性」を重視しているとかが分かります。
他には、「2018年上半期 好調店分析」だったら、好調店は実施した施策の数自体が多い、料理・質の質の改善を行った、接客の強化を行ったなど、色々書いてあります。
漫画読むよりこっちを読む方が良いのは分かりますよね?
PowerPointで作られてるから読みにくいとか言い訳になりませんよ。スマホで漫画読む方が読みにくいですから。
勉強すればちゃんと良質な情報と出会えます。
友人・知人を大事にしない
頑固親父のラーメン屋の気分なのか、「俺は味だけでやっていくぞ…」と黙々と一人でやるのも良いですが、おそらくあなたは人生の全てを一品の味の向上に努めている訳ではないですよね?
居酒屋って楽しく飲む場所です。オーナーやスタッフも楽しい人がベスト。
友人とか知人に「店においでよ〜」とか言えないとか、友人とか知人のリクエストに嫌な顔してしまうようではいけません。
目先の売上ばかり気にせず、頼まれてなくても「これ好きだったよね?」と何かサービスしたり、少し割引してあげたりしましょう。
良い気分になってまた来てくれます。
その友人・知人が月に2回来てくれるなら、そういう人を増やせばどうなるか分かりますよね?
もちろん、過去の友達にはイキがっている人もいるので、店ででかい顔してウザいかも知れません。
でも、その人からすると、イキがれる店として居心地が良いんですよ。
まあ、あまりにも横暴なら仕方なく入店拒否ですけどね。
ただ、そのイキがってる人とそういう関係性になっているのは、あなたのこれまでのキャラです。もし、あなたが成功すればその人の態度も変わると思いますよ。
それに、友達というだけで店に誰か連れてきてくれるなんて、素晴らしい良いお客さんです。その良いお客さんを大切にできないなんて、口コミの発生源を一つ潰しているようなものです。
オーナーが友人・知人であるというのは、友人・知人にとって差別化になってるんですよ。
友人や知人とはしっかり仲良くしましょう。
コース以外の料理の提供が遅い
コース以外と言ってますが、コース料理の提供スピードも遅いなら致命的というか死んでいるかも知れません。
準備を抜かりなく行いましょうね。
さて、アラカルトでたくさんのお客が来たら、どう頑張ってもテンパってしまいます。
お腹が空いている人って、すごくイライラしやすいんです。
そのイライラしている状態で待たされると、もう二度と来てくれないと思います。
あらかじめ、予約の時点で「今日はアラカルトばかりで提供に時間がかかると思いますけど大丈夫ですか〜?」と聞いておくことも必要です。
「じゃあ、また今度にするよ」と言われるかも知れませんが、イライラさせて二度と来てくれないよりも遥かにマシですよ。
次に書く項目と少しかぶりますが…
スピーディーに提供するための準備、整理整頓は徹底して提供スピードを上げましょう。
”無駄に”メニューの数が多い
「メニューが異常に多くて、マジで何でもある居酒屋」というコンセプトなら良いんですけど、「これもあった方が良いかな」くらいの理由で増やしたメニューなら消し去ってください。
先ほど少し書きましたが、そのメニューの存在している理由がないなら、そのメニュー必要ありません。
ちゃんと、どの商品が月に何個売れたかを常に分析していれば分かるはずです。
全然売れていないメニューをずっと置いていても、たまに注文された時にどこにあるか分からないですし、冷凍しててもダメになります。
お客さんは待たされるか、「すみません、終わっちゃいました…」と言われて不満になるだけです。
メニューが多いと、お皿も増えますし、冷蔵庫や冷凍庫もパンパンで、提供スピードに影響します。
メニューの存在理由を確認して、断捨離しましょう。
食器がぬるぬるしている
これは改善するのは簡単なんですが、今のスタイルに慣れていると結構ストレスがかかると思います。
食器がぬるぬるしている店は、女性客には嫌われます。男性客も気にする人は増えてます。
というか、お客からすると”原因不明のぬるぬる”なんて恐怖でしかありません。
お客は居酒屋に死にに来てる訳ではありませんから、すぐに改善しないと嫌われます。
自分の手がぬるぬるしていて、その手で拭いたタオルがぬるぬるします。タオルがぬるぬるなので、手を洗ってから拭いても手がぬるぬるします。
そうして、全てにぬるぬるが伝染していきます。
衛生面でも問題ですし、お客には恐怖を与えるだけ。ぬるぬるの連鎖は今すぐ断ち切りましょう。
看板料理や名物料理がない(客目線で)
普通の料理を、普通もしくは安く提供するのは大手チェーン店の仕事です。
「この店でしか食べられない!」「この店のコレは美味しい!」というのも必須ですね。
もちろん店主自身は美味いと思っていても、お客が美味いと思ってなければ意味ありません。
先ほどの、ターゲットをちょい富裕層にしたとすると、その富裕層の舌を満足させる必要がありますので、かなりの美味しさでなければなりません。
学生をターゲットにするなら、舌が肥えていませんのでそこまで美味しくなくても濃い味付けなら美味いと思ってくれるかも知れませんが、単価は上げられません。
この辺もターゲットやコンセプトに合わせて考えないといけない訳です。
さて、まず「この店でしか食べられない」についてですが、日本とか世界でという意味ではありません。
例えば、熊本の馬刺料理や福岡のもつ鍋なんてのは、今やどこでもありますが、お客の活動範囲で一軒しかなければ、充分「この店しか食べられない!」になります。
まあ、色んな店がありますから、簡単には見つけられない場合もあると思いますが、全国を見て回れば色々と見つかりますよ。
それに少し手を加えるだけでも、名物料理になり得ます。”骨つきトンカツ”とか、”地鶏のごて焼き”なんかが分かりやすいですよね。刺身なら”キジハタ(アコウ)”もすごく美味しいですよね。
それが出来ないなら、よくある料理でも「この店のコレが美味しい!」というレベルまで仕上げることが必要です。
先ほどのぐるなびのアンケート結果にもありましたね。「質を上げた」って。
人気のメニューをひたすらに質を上げて、最高にうまいメニューにまで仕上げても良いと思います。
名物料理を新しく発掘するか、既存メニューを”徹底的に”昇華させて看板メニューにするか決めよう!
さいごに:方向転換も視野に
稼げない理由18個のうち、赤文字を書いていきました。
赤文字は居酒屋の未来をすぐに左右するポイントですので、速やかに改善してくださいね。
また、どうしても改善できないとか、改善したのに儲からないなら、方向転換をした方が懸命かも知れません。
これらの点を改善しても儲からないなら、今のスタイルの居酒屋はあなたに向いていません。
方向転換でオススメなのは「専門店化」です。周りに同じ専門店がなければ差別化は一瞬ですからね。
”海老居酒屋”とか”フグ居酒屋”とか”コリコリ居酒屋”とかですね。
例えば、海老専門店と言っても、全てのメニューが海老とかである必要はありません。ほとんど海老なら大丈夫です。
「ウチは何の店です!」って言えるって重要ですからね。
そして、儲からないからと言って”自分の(生活の)ため”に店を経営しているなら、もう終わりです。とにかく、”お客のため”に経営してくださいね。
私でよければご相談に乗ります。問い合わせフォームがありますので、ご質問や相談を受け付けています。
24時間以内に返信しますし、メールでのやり取りでは費用はいりませんので、お気軽にご相談ください。
それでは、経営が立ち直ることを祈っています。
残りの改善点について▶︎▶︎【続編】儲かる居酒屋になるための残りの改善点|急いで改善すべき欠点
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