怒れない…。叱れない…。
この言い方キツいかな…?
辞められたら困るな…。
はい、ヘタレですね!ヘレなのに上司になっちゃったんですね!
何とも可哀想なことです。ヘタレに上司はキツい!けど、出世しないのは年齢によっては、もっとキツいかもですね。
怒れない優しい人はナメられる訳ですが、まず断言すると、怒る必要ないですし、優しくする必要もないです。
怒れないとか、優しくしてるのに…とか、子どもや友達が相手じゃないのに、そんなこと考えてるから、ストレスで胃が痛いんですよ。
どういうことか?
では、いきましょう!
ダメ部下のマインドを変えるのではなく、向きを変える
上司は、指示に従わないとか、仕事ができない人、勝手なことをする人をどうにかしなければならない気がしますよね。
そこで、面と向かって怒ったり、優しく指導してみる訳ですが、相手によっては喧嘩になったり、ナメられたりします。
まあ、そもそもあなたは怒れないタイプなので怒れないんでしょうけど、怒ったところであんまり効果がない上、「この言い方キツかったかな?」と自分でストレスを増大させます。
厳しく育てるとか、優しく育てるとか、仕事ではそういう次元にいてはダメです。
なぜなら、それは上司と部下が向かい合ってしまっていて、進むべき方向を見ていないからです。
仕事には、”売上や生産性、質を上げるためにどうするのか”などの目的があるので、部下の顔の向きをそっちに変えるべきです。
そもそも怒られるようなことをする人は、思考停止しています。目的達成のためにどうするか?ということを考えさせれば、思考が動き始めます。
ダメ部下は仕事の目的を忘れて。あなたと対立するのが目的みたいになってます。
問題は目的達成以前に部下のレベルが低すぎること
では、部下と向かい合うのではく、上司も部下も目的の方向を向けば、議論とか試行錯誤していく段階になり、怒るとか優しくするなんてどうでもよくなります。
白熱した議論になり喧嘩みたいになる可能性はありますが(感情を抑えられないのは微妙ですが)、それ自体は良いことですね。
ただし、あなたのようなヘタレでも上司になれるような規模・レベルの会社ですから、部下はそんなあなたよりも無能な訳です。
無能な人は、目的を与えても、すぐ手段の方が目的化しますし、やる気がなかったり、記憶がなくなったり、無意味なことをずっとやったりします。
しかし、これは怒ったり優しくしたりすれば解決するでしょうか?
答えはもちろんNOで、怒っても優しくしても、それがきっかけで”覚醒して天才になることはない”のです。
怒ったり優しくしたりみたいな育成っぽいことは、有能な人にするべきであって、無能な人には無意味です。
無能だから仕事が出来ない訳で、怒ろうが優しくしようが仕事は出来ません。
あなたの会社は普通じゃないことを認識しよう
バカばっかりだから出世できたことは、あなたも自覚がある思います。一流企業では同僚に凄いのがたくさんいますから、なかなか勝てません。
言葉を選ばずに言うと、あなたの会社はバカをたくさん集めて何とか頑張っている会社です。
バカばっかりの中にあなたみたいなのが来たらラッキーですが、基本的にバカばっか入ってきます。
ここで、一応、組織の格付けをまとめておきます。下に行くほど良い会社です。
- 社長だけ企業:社長以外は雑魚で、社員は雑務ばっかり
- ヤンキー企業:バカばかりだが、度胸があるヤンキーみたいな人が活躍する
- かけだし企業:バカも多いが普通の人も増えてくる。しかし、普通の人に責任が集中
- 普通の企業:普通の人が一定数いて、各種ノウハウが生まれている
- まともな企業:普通の人が大半かつ優秀な人が少数いて、業績が良い
- 優良企業:優秀な人だらけで、天才的な人も少数いて、業績が右肩上がり
例外はもちろんあり、例外の企業はスピード成長するスタートアップとかベンチャーです。
4でやっと、会社の規定がまともになり、人材育成などに力を入れられるようになります。
あなたの会社は、おそらく2とか3に当てはまることでしょう。
2とか3に当てはまったら辞めた方が良いという話ではなく、普通の会社と比較しても意味ないよという話です。
普通の会社ではないので、普通のマネージは出来ません。これ重要です。
マネジメントの本を読んで「これだ!」と思っても、無能な部下は日本語もおぼつかないので、伝わりません。
無能な部下でも少しは育った気がする錯覚
無能は永遠に無能なので何やっても無駄という話でしたが、
「あいつバカでイライラするけど、なんだかんだ少しは出来るようになってるよね。」
なんてポジティブシンキングしたりするタイプですか?
これ、猛烈な錯覚です。
出来るようになったというのは、あくまで”誰でも出来ることが出来るようになっただけ”です。
つまり、仕事じゃなくて”作業”が出来るようになっただけです。
「この時間になったら何をする」とか「この日は何がある」ってことを覚えたとか、その程度に過ぎません。
成果はゼロですし、利益的にはその無能の人件費でマイナスです。何か仕事している風でも、有能が仕事を回しているだけで、めちゃめちゃ代替可能で存在価値は別にありません。
無能部下が誰でも出来ることが出来るようになったのは事実ですが、普通の人なら入社した瞬間にできるようなことなんです。
例えば、遅刻ばっかりする人が遅刻しなくなったというのは、確かに成長です。ただ、そんな人に育成の時間をかける必要ありますか?ストレス受ける必要ありますか?
経営者なら、その無能に直接的に金を取られるので被害が深刻ですから、「さっさと辞めさせよう」としか思いません。
つまり辞めてもらうしかない
あなたがヘタレで、部下は無能で、怒っても優しくしても無意味で、会社も普通以下、さらには無能部下のことを悩むことも無駄。
じゃあ、どうすれば良いの?って話ですが、”辞めてもらう”しかありません。
小さい会社の経営者は、パワハラ・解雇をせずに辞めさせる話術にめっちゃ長けてます。社会保険料の会社負担分も勿体ないんで、良い感じに辞めさせるスキルって重要なんですよ。
で、採用でどれだけ頑張っても、無能ばっかり応募してくる訳で、採用担当に文句を言っても採用担当もどうしようもないんです。
無能な人が入ってくるは前提で、一応の無駄な育成を繰り返さなければならないのは、出世してしまったあなたの宿命です。
つまり、採用担当と連携して「普通の人」や「まだマシな人」、最悪でも「度胸や行動力だけはある人」が入るまで、ひたすら”採用しては辞めさせる”を繰り返すしかありません。
ただ、辞めさせるペースが早すぎると、人手不足になりますから、採用担当と密に連携することが最も重要です。
そして、普通の人やまだマシな人が来たら、最初に話したベクトルを目的に向けてやれば良いです。
普通の人は、怒るとか優しくするとかしなくても、「これ、お客様のためにならないよね?」とか「これ、こう理由でNGなんですよ」とか言ってれば、それだけで反省して、ある程度のパフォーマンスを出してくれます。
無能部下を定期的に辞めさせながら、普通の人が来た時にしっかり確保して、組織の格付けレベルを上げていくのが、あなたの長期的な仕事です。
で、”今”のあなたの仕事は、採用担当に協力してもらって人を採用しつつ、人手不足にならないペースで、無能な部下に「じゃあ辞めれば?」とか「ウチとは合わないね」と言うことです。
ストレスで胃が痛くならないために
ここまでをまとめると
部下じゃ無く売上やサービスの質の方に目を向けて、無能部下は怒っても優しくしても育たないことを理解して、まともな人が来るまでひたすら回転させる
ってことです。
怒っても無意味だし、優しくしても無意味ということが分かったと思いますし、なんなら辞めさせるのがあなたの仕事だと分かったと思います。もちろん人手不足にならないよう、バランスを取りながらです。
あとは、あなた自身が無能部下から受けるストレスにどう対策するかですね。
ただこれは、出世したんである程度のストレスは許容してくださいというのが一つと、無能部下は普通の人が入るまでの繋ぎだと切り替えればストレスは自然に軽減するよねというのが一つ。
そして、それじゃあ、あまりスッキリしないなと言う場合は、ハラスメントにならない程度にやりたいようにやって良いです。怒ってみても良いし、優しくしても良いし。
怒れないと悩んでいるなら、怒る練習台にしても良いし、怒れないという悩みそのものをやめても良いです。
それでは、良い上司ライフをお送りください!