転職でブラック企業を回避2|みなし残業(固定残業)編

転職でブラック企業を回避2|みなし残業(固定残業)編

みなし残業isブラック企業ということはないのだが、みなし残業関連の制度はブラックの温床となっているケースも少なくない。

だいたい何なんだこの制度は?みなし残業について一生懸命分析してみる。

ある程度、みなし残業などの制度についての知識がある人は後半から読んで欲しい。

みなし残業・固定残業について

世の中色々な法律や制度がありすぎて、労働者はとても覚えられたものではない。

みなし残業は「みなし労働時間」と言うのが正式名称で、事業場外労働と裁量労働がある。固定残業は実際の残業の有無に関わらず残業代を支払うというもの。

これだけでもごちゃごちゃになってくる。

更には、変形労働時間制・フレックス制を取られるともう訳が解らなくなる。(変形労働時間制にも月と年の二種類ある)

これらを色々と組み合わせられると、もう考えたくなくなる。

ホワイト企業の場合は、いちいちこういう事を調べることなく、普通に働いていれば何の不満も湧かないが、ブラック相手だと「めっちゃ長く働いてるのに、何か給料安くない?」「労働時間が長すぎて体がもたん…」みたいなことになってしまう。

みなし残業

事業場外労働のみなし労働時間制を使えるのは、外回りの営業で、会社に居ない時間が多いので労働時間を測れないため、労働時間とみなす必要がある。コレ自体は大きな問題ではない。

ただ、注意が必要。事業場外労働のみなし残業制…つまり事業場外労働のみ労働時間をみなして良いのである。外に出てる時間だけみなし労働時間にする訳だから、外回り以外の時間はみなし労働時間に出来ない。

例えば、会社に戻って事務仕事してるのはみなし労働時間にならない。そこで働いているんだから、みなす必要はない。

裁量労働が認められるのは、エンジニアとかデザイナーとか、忙しい時は徹夜レベルだが、峠を超えたら暇みたいな仕事に使える制度。仕事がほとんど無い日に8時間拘束しても無駄だから、こういう制度がある。

ただ、会社から与えられる仕事が多すぎて、とても自分の裁量で時間を短縮できるレベルじゃなかったり、仕事量に関係なく「とりあえず8時に出社しろ!」みたいな事を言われて自分の裁量ではなく、会社が労働時間を決めている場合もある。この場合、裁量労働制を使う必要はないのだが、本人の裁量で勝手に働いたという設定にされたりする。

固定残業

固定残業は、毎月固定の残業時間を設定して、残業の有無にかかわらず残業代が支払われる。もちろん固定の残業時間を超えれば、追加で残業代が支払われる。

だいたい毎日1時間は残業するから、月20時間の残業時間を設定しておこう。という感じ。

断じて、どれだけ働いても残業代は固定という意味ではない。そんな事を言う会社はブラック確定だ。



制度の存在価値を分析!

ホワイトであれば会社と従業員が「Win‐Win」になるように制度を導入するのだが、ブラックの場合は会社のメリットを押し付けるために制度を導入する。

そもそも、みなし残業やら固定残業は、こういう為にある。

「先月は結構忙しかったけど追加の残業代が貰えたし、今月は楽したのに給料は普通に貰えた~。リフレッシュできて良かった~。」

「残業が全くなしの会社だと、生活がキツい…。せめて月に20時間位は残業が確実にある会社が良いなぁ。」

「固定の残業時間よりも早く仕事終わらせて、早く帰るのに固定残業代ゲット~!モチベーション上がるわ~!」

自立して生活している場合、ワークライフバランスとか言って月給20万のところに行くよりも、固定残業付きで月給24万を選ぶ事も多い。

それに、残業アリの求人で「20万円+残業分」と書かれていても、どれくらい残業があるのか分からないので、不安になるのだ。

最低でも月に◯◯万円欲しい!ということで、好んで残業する人は多い。

「みなし残業=悪」と思う人も多いが、意外と固定残業代付きの求人の需要もあるのだ。

企業側のメリット

会社からするとどんなメリットがあるのだろうか。これは本当に色々だ。

少しだけ例を出すが、「(ホ)はホワイト(ブ)はブラック(両)は両方に当てはまる」例だ。

(ホ)早く帰っても残業代が出るので、社員のモチベーションが上がる

(ホ)残業代の計算が楽で、経理の負担軽減が出来る

(両)求人広告で給与を高く掲載できるので応募が増える

(ブ)残業時間をウヤムヤにする

(ブ)制度が難しいのを利用し、社員を騙して追加残業代を払わない

ブラック回避術

さて、転職で最も重要になるブラック回避術である。

みなし残業や固定残業の表記などから、ブラック企業を判別できる方法をご紹介する。

企業側のメリットで見たとおり残業時間をウヤムヤにしたり、複数の制度を利用して社員に間違った知識や常識を植え付けてタダ働きさせることが出来るので、ブラック企業はみなし残業や固定残業は大好きだ。

しかし、ブラック回避のためにみなし残業や固定残業が無い会社だけに絞ると、候補がとても少なくなってしまう。

前回の記事でも書いた通り求人票だけでブラックを見極めるのは難しいのだが、今回は頭の悪いブラック企業は一発で分かる。

ただ、この知識だけでアホブラックは回避できても、ブラックを完全回避できる訳ではないので、複数の知識を合わせよう。

時給計算する

これでアホブラックは一発で分かる。

まず、残業代の時給は時給の1.25倍だ。

ちなみに、10時以降の深夜の場合も1.25倍。もし残業で10時以降になれば、1.5倍。休日出勤の時給は1.35倍。

それと、固定残業代の時給は最低賃金の1.25倍ではなく、あなたの時給の1.25倍

では、行ってみよう。

①給与から固定残業代を引いて、所定労働時間(残業時間入れない)で割れば、あなたの普通の時給が分かります。

②あなたの時給に1.25倍した物が、あなたの残業時給です。

③あなたの残業時給を固定残業時間に掛けて、固定残業代を下回っていればアホブラック。

固定残業代が入っていると、一見、月給が高く見えるが、固定残業代を差し引くと、普通に最低賃金を下回っている場合もある。(つまり①の段階でアホブラックが確定することもある)

中小ブラック企業では、偉そうなことを言ってるくせに時給計算も出来ていないアホブラックが意外とある。

基本の給与をギリギリまで下げて固定残業代で上乗せして、月給を高く見せかけているので、アホだとこういうミスもするのだろう。

もちろん、サービス残業が最大の敵になるので、これだけで判断してはいけない。サービス残業は労働時間としてカウントされていないので、求人票では判別不能だ。

しかし、時給計算してみると、会社が自分の値段を幾らにしているか分かるので、アホブラックを見つけるためだけでなく、純粋に転職時に2社で迷った際に、時給計算してみるのはオススメだ。

もし今、サービス残業しているなら、そのサービス残業をしている時間も計算に入れて見ると良い。自分がどれだけ安く見られているか分かる。




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